コマのようでコマでない

2018年02月14日

 


花瓶のようで花瓶でない〜 ベンベン〽
コマのようでコマでない〜 ベンベン〽
それは何かとたずねたら・・・

こしかけ、こしかけ〽
 
 
いやどうも失礼しました、ついつい豊竹屋の義太夫節が…(笑)
 
当社ギャラリーには風変わりなモノ(巻頭写真)が置かれています。一見コマのように見えますが、一応イスです。来客された方に乗っていただこうと置いてみたわけですが、初めて乗るときには少々勇気がいるかもしれません。防御反応で恐怖感を覚えるでしょうから。ところが手慣れてくると、これがまことに居心地いい。
 
本来コマというのは人が回して遊ぶものですが、これはまったくの真逆で、人がコマになって回されるという。
また本来イスというのは安定感あって落ち着いてリラックスできるのが機能的役割ですが、これも真逆で、実に不安定この上なく安心もできないという。
 
弧を描いて360度くるくる回るこのイスは「スパン」(Spun)と称し、サイズは直径91cm/高さ65cm、ポリエチレン素材でできています。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品にもなっているアヴァンギャルドな「スパン」を創造したのが、史上最年少で英国王室工業デザイナーに任命され「王立英国建築家協会国際賞」を受賞した気鋭のトーマス・ヘザウィックです。彼の代表作をいくつかご紹介しましょう。
 
(Photograph: Carsten Ullrich/Source: Wikipedia)

「スパン」を発表した2010年、ヘザウィックは上海万博のイギリス館(上記写真)も手がけています。またの名を「種の大聖堂」(Seed Cathedral)といい、その特徴的な外観から「タンポポ」という愛称で呼ばれていました。
一見ヘンテコリンな造形ですが、仔細に見ると6万本ものアクリル製ロッドが天空へと放射状に伸び、風でゆらゆらと揺れ動いている、まるでオブジェのごとき壮観なパビリオンです。
そしてそのロッド先端には25万数にもおよぶ植物の種子が埋め込まれている。なんとも気が遠くなるほど作業の困難さが想像に難くないとはいえ、その徹底した職人的なこだわり感が半端なく素晴らしい。
これが高く評価され、すべてのパビリオンの中で最優秀賞を獲得しました。以下のYouTube動画で実際のパビリオンをご覧になってください。

UK Pavilion - Shanghai 2010 Expo
 
また同年にはロンドン名物の2階建て新型バス(New Bus for London)、2012年にはロンドン・オリンピックの聖火台をデザインしています。
そんな数ある作品のなかで飛び抜けて革新的アイデアで驚嘆を禁じえなかったのが、ロンドンのパディントンにある「ローリング・ブリッジ」(The Rolling Bridge)。全長12mほどの… いや、ここでその“正体”をバラしてしまっては映画の予告編みたく興ざめもいいところですから、以下のYouTube動画でとくとお確かめください。

Heatherwick's Rolling Bridge

2005年「イギリス鉄鋼建築デザイン賞」を受賞したこの橋の破天荒ぶりをご覧になったあとで、あらためて「スパン」の奔放奇抜な着想に目を向けてもらえたら、これをちょいと置いてみたくなったワケがいくらかでもご理解いただけるでしょうか。

 


 
 
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